山田

@0vy3265.bsky.social

ユーハバッハ戦前のやりとりって「一護が仲間を頼れるようになり、一護をずっと護りたかった織姫が報われる場面」ではあるが、その前にチャド達と分断されてしまい結果的に織姫と二人で、という流れなので「織姫相手だからこそ背中を任せた、特別な存在であることの証左」とするのは違うと思うし、分断されなければ一緒に戦うつもりだったチャドと岩鷲のこと何だと思ってんだよ過ぎる

助けるという目的に縛られて止めに入った仲間でさえも攻撃するという描写なんだろうけど、保護対象のはずの織姫を剣圧で吹き飛ばしてたり自分が怪我させた石田くんへのリアクションはそこそこに消え行くウルキオラへの対応がメインになってしまってて、結局織姫の絶望は暴走の為だけの舞台装置だった感あるし石田くんの男気の報われなさの方が気になって「心」の話に対して若干のノれなさがある

ヒロインの叫びが死の淵から主人公を引っ張り出す、も王道ではあるんだけど、なら「主人公の人間性が損なわれないように暴走中の残虐行為を身体を張って止めようとする」までがヒロインの役割であってほしかったよがある

本人がその感情を「嫉妬」とラベリングしたので作中内外でそういうものとして扱われるが、対象になってるルキアへの攻撃性や敵意が無さすぎて「羨望」と「劣等感」の方がニュアンスとしては近いんじゃないかと思われる

織姫からルキアへの嫉妬、一護を元気付けられて戦場に立てるルキアの方が合ってるから二人が恋愛的にどうこうなってしまうかもという嫉妬ではないけど、でも仮にルキアが男の子だったら「男同士だからこその連帯」として受け入れそうというかあれほど暗いトーンの感情にはならなかっただろうな、もある

どっちもカップリングオタクの視点が強すぎるというか、誰から見ても戦いに不向きだが能力の有用性や本人の意志もあって前線に出さざるを得ない異性の仲間を優先的に配慮するのは、恋愛感情や戦士としての信頼度に関わらず人として自然な対応だろう

一護の織姫に対する優しさ穏やかさを全部恋愛感情由来とする主張と自然体ではなく取り繕ってる態度とする主張、どっちも好きではない

「次は絶対お前を護るから」の場面も、一護にとって織姫ってかなり特別枠なんだなと認識できるシーンではあるが、織姫はその特別さを認識することができずむしろ「朽木さんのおかげ、自分では元気にさせてあげられなかった」「護ってあげたいのに護られる側だと突き付けられてしまった」みたいなコンプレックスを刺激してしまうバッドコミュニケーションだったので、あそこを主人公とヒロインの美しいロマンチックな誓いの場面として消費するのはあまりにも話の前後を度外視し過ぎた読み方に感じてしまう

織姫に比べて一護の感情が明瞭じゃないのって「主人公からヒロインへの熱の入った感情の全てが恋愛感情由来のものということにしたくない」的なこだわりであって「読解力が無い馬鹿にはわかんねーだろうけど全部恋愛感情から出た言動です!!」では無いだろ

「井上を殺したけりゃあ先に俺を殺すんだな!!」は、「妹を殺そうとする兄」に対して「兄貴ってのは妹や弟を護るために先に生まれてくる」という持論と矜持を持った一護が立ち塞がる構図に使われる台詞なんだからそれを「織姫への恋愛感情があるシーン」として挙げるの変じゃない!?

織姫が女の子扱いされてること自体は確定で、組み手で負けた後は一度も試合してもらえなくなったたつきちゃんはジェンダー方面でのギリ女の子扱いされてるがルキアはなんか「性別:ルキア」みたいな質感

一護は織姫に対して優しいし過保護なのに恋愛感情が見えなかったなんていう読者は読解力が無いみたいなポストを見るたびに、その所謂「女の子扱い」が、セクシュアリティ(性的・恋愛的魅力への反応)なのかジェンダー(社会的・文化的に「守られるべき存在」という認識)に基づくものと読み取るかは、読解力云々の前に読み手の恋愛観や好みに依る部分はあるだろうという感想になる

みんなヒーロー!更に向こうへ!とか前向きなフレーズで飾りながら、能力の限界値が低いキャラクターのことは掘り下げやフォローもそこそこに雑に片付けて終わったヒーロー漫画

主人公の力の喪失に立ち会った時にメソメソ泣くようなキャラが異様に持ちあげられるジャンルを通った後に読み返すと、「いやラスボス倒す前と倒した後という違いはあれど、ライバル兼戦友キャラって普通こういう力強くて安心できる言葉を主人公にかけるもんだよな!?」ともなる

戦友ポジとかに限らず、「凄い能力があるから状況解決に役立つキャラ」より「主人公が苦しい状況になった時に自然と支えて導ける心意気を持っているキャラ」が好きなので、恋次がそういう役割だったの嬉しかったんだよな

喝入れ後に「井上に言わなきゃいけないこと、言いたいことがあるんだ」ってなって探そうとするも霊圧感知が苦手過ぎたためにルキアに引きずられる構図になったとか行間はいくらでも想像できるけど絵として言葉としてちゃんと描いて欲しかったよな、はある

一護は皆の事を護りたいと思ってるけど個人にそう宣言したのは織姫だけという描き分けの意図自体はわかるけど、その場面に至るまでにルキアが引きずって連れてきて強引に頭下げさせたりする下りがあることで一護の積極性が見えづらくなってたり、言われた織姫本人が「いつもの黒崎くんだ」と表現したことでシチュエーションの特別さも薄まってしまったと感じる

「一護は織姫のことを(恋愛対象としての)女の子扱いしてるので強い言葉を言わない」は実際作者もそういうつもりで描いてたんだろうなとは思うけど、会話劇のセンスが語気が強めのツッコミや鼓舞、皮肉の叩き合いに特化してる中で「でも織姫にはそういう対応をしない」という縛りを設けたの結構やり辛かっただろうなとも思う

ルキア、一護を物語の主人公にしたヒーロー(救世主)ではあると思うし、作品の看板として一護ともう一人キャラ挙げろといわれたらそれは彼女になるだろうなとは思う

ただ個人的には「ルキアはヒロインじゃなくて準主人公」とする方がなんか「そんな主人公に次いで物語の中心で活躍してたりストーリーを動かす立ち位置だっただろうか…」があるし、「完現術篇はチャド篇」は読者が読み取れてないとかじゃなくてシンプルに描き手の描写不足の面はあると思う

BLEACHのヒロイン論争、見かける度に女主人公という意味でルキアをヒロインと表現するのは別におかしくないけど、作者がその単語を「主人公の恋愛相手」という意味でのみ使ってて役割の違うWヒロインものではなく織姫だけをそのポジションに据えてる事と、ルキアにも一護との恋愛要素はあったと主張するカップリングのオタクの自己暗示のせいでややこしいことになってんだよな…

最初のキャラブックに載ってた短編漫画読んだ感じ、一護は別にたつきちゃんのことを女として認識してないということは無いと思う

作者の意図したところかどうかはわからんけど読んでて正直たつきちゃんと一護の間で「幼馴染み」という概念にものすごい解離がありそうに見えた

存在としてはフェードアウトしてないし最終回でも居たには居たけど物語の中盤戦で描かれた一護の助けになってやれない悔しさに見合ったアンサーが描かれないのでドラマとしては宙ぶらりんになった感あるし、最後に直接会話したのが月島さんに過去挟まれてみんなで一護を劇詰めしてるシーンなのこう…なんかさ…!!

まぁ本編でも「主人公の幼馴染みでヒロインの親友」という設定に見合った動かし方をされていたかというとそれは…

一護の幼少期に空手道場に通っていた設定が無くなってたりルキアに「小学校以来の姉弟子」という設定がついたことで名前だけしか出てこないたつきちゃんに想いを馳せるなどする

一護に幽霊が見えないしそもそも死神とか虚とか滅却師という概念が存在しない世界だが真咲ママは存命なのか問題

BLEACHの学パロ小説、原作で不仲だったり敵対しあったキャラ同士の不穏で一触即発な関係性が世界線を置き換えて再現されてる中で、織姫と士原くんはなんか初手からわりかし気の置けない知人的な距離感なのちょっとノベライズの先生の私情が入っている気がする