まな【8/23大阪家宝6号館Bツ25a】

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成人済み、二次創作をしています■松(箱推し)、ゲ謎、カリスマ(箱推し)、青春鉄道(地下箱推し)、水戸岡先生車両推し■アンソロジー頒布中:おそ松さん二次創作、年中松中心 へそウォ派生 日常アンソロジー『ほぼほぼ一年中』 https://hwh3nenchu4anth.ichi-matsu.net/ ■pixiv https://www.pixiv.net/users/16144457 ■wavebox https://wavebox.me/wave/knuoj1j8x2uwhme9/

Xのひらブー用に書いた混色松の短編です! 文字数詰め詰めで読みづらくてすみません🙇‍♀️  気にいっている箇所はフラペチーノの呪文です。 オチは最初は末弟を年中がいじる展開で考えていましたが、画像4枚にならないので削りました。ほんわかする感じにはなったかな?と思います🍨💚💜🩷🍦

「今日も暑いな……」
 花火柄の団扇で雑にパタパタと扇ぎながら、六つ子三男のチョロ松は誰に言うでもなくつぶやいた。
 居間のクーラーは稼働しているが、設定は二七度だ。もう少し下げたいところではあるが、それは憚られた。先日母親に電気代の高さを嘆かれたこともあるが、部屋に居るのがひとりだと微妙な調整が効かずに冷えすぎるという問題もあった。
 ならばどこか店や施設に出かけても良いのだが、気分が乗らなかった。いわゆる夏バテなのか精神的なものかはわからないが、こうして家に残って部屋が暑くなり過ぎないようにすることも、大事な役目だろうと自分に言い聞かせている。
 と、そのとき玄関が開く音が聞こえてきた。ほどなくして六つ子末弟のトド松が居間に入ってくる。
 
「あ、おかえりトド松。暑かっただろ」
「ただいま。ほーんと最悪。ちょっと歩いただけで汗だくだよ。ねえ、いま居るのってチョロ松兄さんだけ?」
 トド松は部屋の中を見回しながら尋ねる。
「うん。僕だけだよ」
「割引クーポンもらったからアイス買って来たんだけど、五本入りなんだよねえ」
「なるほど。こういうのは早いもの勝ちだろ?」
「だよね~」
 ピッと指を弾いて笑う弟に、チョロ松もニヤリと笑みを浮かべてピースサインを返した。
 
「はい、とりあえず一本ずつね」
 トド松から手渡された棒アイスは、白色をベースに焦げ茶色がマーブル模様になっているものだった。
「ありがとう。見慣れないやつだけどこれは何味?」
「カフェオレだよ。某有名コーヒー店監修の新商品だってさ」 チョロ松は説明を聞きながらアイスにかじりついた。口の中でじっくり味わうように転がすと、コーヒーの香りとほろ苦さが広がる。
「ああ、なるほど。でも正直、あの店らしさが出ているかはよくわからないな……普通に美味しいコーヒーアイスって感じだけど」
「え? 普通に美味しいコーヒーアイスで充分でしょ? あー冷たくて最高! 生き返るわ~」
 そう言ってトド松は満足げにアイスを口に含んでいく。その様子をチョロ松がじっと見つめていると、どうしたのかと訝しむ声がかけられた。
「いや……お前カフェの味にはうるさそうだから、その感想は意外だなって。いつも『なんとかフラペチーノシナモンマシマシなんちゃらシロップ抜きでソイクリームオオメ』みたいなのが飲みたいって言ってるし」
「なんだそれ? ラーメン屋の注文か!? もう!『それはそれ』ってやつだよ、チョロ松兄さん。そもそもアイスになってる時点で別ジャンルだからね。わあ、新しい味だ、楽しいね~美味しいね、でそれで良いの」
 トド松がきっぱりとそう言ってのけたことに、チョロ松は軽く衝撃を受けた。
 過度な期待をするわけでもない、さりとて楽しまないわけでもない。ドライモンスターなんて揶揄したこともあったが、弟のこういう考え方は自分が持ち得ていないものであり、その姿勢は見習うべきかもしれないと思った。
 ずっと自分ひとりであればきっと「正しくなければならない」と思い込んで、多くのものを見過ごしてしまうのだろう。
 
「……うん。美味しいね。ありがとう、トド松」「だねえ。よし、もう一本ずつ食べちゃおうか!」
 そうしてトド松が立ち上がったところで、スッと部屋の戸が開かれた。四男の一松が入ってくる。
 
「えっと……いまウチに居るのって、お前らふたりだけ?」
 つい先ほどの自分たちと同じような質問に、チョロ松は思わずトド松と顔を見合わせる。
「そうだよ。どうしたの、一松兄さん」
「あんまり暑いから、アイス買ってきた……でも五本入りだから、おれたちだけで食べたほうがいいかなって」
 一松がそう言って袋から出してきたのは、予想通りに某コーヒー店のロゴが入ったアイスの箱だった。
「マジか」
「やっぱり六つ子だね~」
「これ以上増えたらどうする?」
「別に何本あっても構わないでしょ。母さんたちも食べるだろうし」
「えっ? え? い、いったい何の話?」
 面白いほどに挙動不審になった一松に、トド松が口の端をプルプルと震わせながら事情を説明する。
 
「あはは、それにしても、まさか一松兄さんがアイス買ってくるとはね~」
 一松は一本目の、チョロ松とトド松は二本目のカフェオレアイスをかじりながら会話を続ける。余計なことを考えるのをやめたせいか、先ほどよりも素直にその甘さを感じることができた。
「へへ、おれもそう思う。昨日半年ぶりに会えた猫が居たからその戒めにね……」
「なんだそれ? 戒めアイスじゃなくてお祝いアイスで別に良いだろ」
「そうだよ。この暑いなか買ってきただけで戒めは終わり!ボクたちは冷たいアイスを美味しくゴチになるから幸せを分け合うって考えれば良いでしょ」
 なるほど、こんな感じか。チョロ松には一松の戒めアイスの思考がいまいち理解できなかったが、角度を変えることなら提案できそうだった。ここはトド松に乗っかっていくことにする。
 
「うんうん。まさにシェアハピってやつだね!」
 チョロ松がそうして腕を組んで頷くと、ふたりの弟はなぜかどんよりとした表情を浮かべてよこした。
「うっわ、チョロ松兄さんが言うとアレだわー」
「アレですわーしかもちょっと古い」
「いや、なんで僕だとアレなんだよ! あと、まだ使ってる人も居るだろ!?」
 全力で不服を訴えたが、聞き入れられる様子はなかった。一松とトド松はこちらを無視してアイスの味について語っている。
「なんだよまったく……」
 思わずそうぼやいてしまうと、一松がちらりとこちらを見て笑った。やっぱり聞こえていやがったなとは思ったが、不意の幸運に対する不安が和らいだならまあ良かったのかもしれない。
 ひとりよりふたり、ふたりより三人。六人も居るとさすがに暑いし諍いも増えるが、ちょっとした憂鬱やこだわりはどうでも良くなるくらいスーッと溶けていってしまうのはありがたかった。
 
「ねえ、その久しぶりに会えた猫ってどんな子なの。教えてよ一松」
「あ、ボクも聞きたい!」
 そうして尋ねると四番目の弟は少し照れくさそうにしながらも彼との出会いを語ってくれたのだった。

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