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@hiro.eurosky.social

とまり木 https://tomarigi.app/profile/hiro.eurosky.social Zeens 📷photography https://zeens.app/profile/hiro.eurosky.social

#空想書写 何だか素敵な商店街だなと思うけれど、それより題名の猫町が気になってしまった。この小説にはたくさんの猫が出てくるシーンがあるのだけれど、最初にイメージした可愛い話ではなく、怖い話であった。

街路は清潔に掃除されて、鋪石がしっとりと露に濡れていた。どの商店も小綺麗にさっぱりして、磨いた硝子の飾窓には、様々の珍しい商品が並んでいた。
萩原朔太郎「猫町 散文詩風な小説」より
空想書写#一六一九 令和八年八月五日

#空想書写 こういうときにコンプリートしたくなる気持ちはよくわかる。それはそれとして、岩波文庫をたくさん読めば教養が身に付きそうではある。

岩波文庫のうしろの目録の、あのぎっしりとならんだ古今の名著の題の上を、読了したしるしのマルで埋めて行くことに、ほとんどぼくは憑かれていたといえる。
山川方夫「煙突」より
空想書写#一六一八 令和八年八月四日

#空想書写 白いスーツとカンカン帽は昭和の夏という感じだ。パナマ帽も。しかしwikipediaによると明治の末期から流行りはじめたということなので、思ったより歴史があった。

父上の白い洋服がやたら心に浮かぶ。暑いと云えば、毎年暑中たまらない思いをして来た須田町の午後の日ざかりを思い出す。
宮本百合子「樹蔭雑記」より
空想書写#一六一五 令和八年八月一日

#空想書写 冷奴に紫蘇の香り。なんて食欲をそそる組み合わせだ。青じそドレッシングでも良い。青じそドレッシングで思い出したけど、以前サラダバーに置いてあるドレッシングが青紫蘇と赤紫蘇と梅の三択だったときがあった。味が被り過ぎ。

樋口一葉女史の「にごり江」のうちにも、源七の家の夏のゆう飯に、冷奴に紫蘇の香たかく盛り出すという件が書いてあって、その場の情景が浮き出していたように記憶している。
岡本綺堂「綺堂むかし語り」より
空想書写#一六一三 令和八年七月三十日

#空想書写 淡路島で思い出すのは国生み神話だ。八つの島で行ったことがあるのは(住んでいる本州以外では)佐渡島だけ。そして佐渡島も新潟から島影が見えるのだ。

「せっかく来たのやよって、淡路へ渡ってみるといいのや」雪江はパラソルに日をさえながら、飽かず煙波にかすんでみえる島影を眺めていた。
徳田秋声「蒼白い月」より
空想書写#一六一一 令和八年七月二十八日

#空想書写 水槽で泳ぐクラゲは涼しそうでいい。ぷかぷか浮かぶ様子は癒される。しかし忘れてはならないのはクラゲに刺されると痛いということだ。ある夏の思い出。

窓の外を魚が泳いでいます。カンテンみたいな、すきとおったクラゲが、ふわふわしています。それらが、スーッと、上の方へ、あがっていくのです。
江戸川乱歩「海底の魔術師」より
空想書写#一六一○ 令和八年七月二十七日

#空想書写 あまりいいイメージではないかもしれないが、生温い風が運んでくる臭気は夏を感じさせる。逆にいいイメージがある夏の匂いはなんだろうか。とっさに浮かんだのは制汗剤の匂い。夏休みの部活を思い出す。

そのビルの下からは、夏の夕暮れの生温い風が、洗濯物の酸い臭気を、絶えず吹き上げてきていた。
山川片夫「昼の花火」より
空想書写#一六○九 令和八年七月二十六日