栗林

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終わるまではすべてが永遠

テッド・チャンは話の切り口のわりに人間に対する希望を捨ててないなと思うところが大いにあって チャンには似てないけど最近読んだ中だとキム・チョヨプの短編などとてもいいと思う。あと個人的にはサラ・ピンスカーの『いずれすべては海の中に』とかグレッグ・イーガン『しあわせの理由』も良い。 宗教観込みだとジョゼ・サラマーゴ『だれも死なない日』は日本的価値観の外にあって面白かった。

個人的にもガチガチのSFより奇妙な状況下で普通の人間が人間ドラマを繰り広げているのが好きなのですが、小林泰三をその括りに入れたら「普通の人間……?」となってしまうので、まあ世にも奇妙な物語が好きです、と言い切った方が都合がいい。

大学のとき、同じサークル内でカップルが何組かできたときに女子たちから「栗林ちゃんは〇〇くんととかどうかなって」って全然仲良くもない男子の名前と勝手に組まされてびっくりしたことある。そのせいとか関係なくサークルは数ヶ月で辞めちゃったけど、マジで釣り合いそうな見た目判断だけでほぼ喋ったことない人同士の名前挙げるの意味不明過ぎた。もしかしてそういうのって世間的にはメジャー価値観なのか?それなら漫画のラストで近しい人同士が急にくっつき出すノリに違和感持たない人が多いのにも納得出来るのだが。

先月は幾つか恋愛短編を読んだのでそのうちの一冊。周囲の評価で好きが削られるのが大人の恋愛なのか、みたいな話はいや小学生の頃からそんなのは少なからずあるだろという気はした。むしろ学生のときの方が周りの意見に左右される。〇〇くんっていいよね、って言葉に見栄えの良さを求めたりとか。足が速いとか頭がいいとか字が綺麗とか、何かしらに周囲が納得する付加価値があってやっと口に出せるみたいな。思春期以降だとそういう分かりやすい「良さ」を持った異性については、身の丈にあったレベルじゃないと釣り合いが取れないとか逆に外野からジャッジされたりね。

高瀬隼子『新しい恋愛』 四篇の恋愛短編が収録されている。いずれも心当たりのある価値観やどこか引っかかった覚えのある考え方などで、そこを拾い上げるのかーーーという感じのする短編ばかり。ただその拾い上げ方が新鮮なのは確かだが、めちゃくちゃ特殊なことが書いてある小説ではないので、そこは読みやすい。 『花束の夜』新卒で入った会社の指導係・倉岡が退職する夜。「これいらないから」の一言で水本は退職祝いの花束を倉岡から押し付けられてしまう。実はたった3ヶ月の間に水本は彼と体の関係を持っているが、倉岡には多分彼女がいるし、退職が決まっている彼との関係も期間限定なのだろうと弁えていた。

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『いつか深い穴に落ちるまで』、タイトルだけ見たら『地球の中心までトンネルを掘る』っぽい話なかもと思ったのだが、最後まで読んだらどちらかというと小山田浩子『工場』だった。業務の不透明さとか特に。 そんなこと考えてたら本棚の『こんとんの場所』の隣に並んでたタイトルが『リリアンと燃える双子の終わらない夏』で、なんか巡り合わせがいいなと思ったから次これにしよう

いつぞやに文庫化していた山野辺太郎のデビュー作を引っ張り出してきて病院の待ち時間に読んでたら読み切ってしまった 面白かった 面白かったついでに解説読んで『こんとんの場所』の著者だったんだ!と思い、なんか積んでるぞという記憶が蘇ったのでそっちも引っ張り出した 連鎖

池澤春菜「人生はあまりに短く、読みたい本はあまりに多い」 宇垣美里「本屋さん行くと時々悲しくなる。これ全部読める日なんてこないんだ、って思ってさ。嫌になりますよね」 三宅香帆「ハッピーですよね、まだ読んでない本がいっぱいあるのって。人生、暇にならなくてすむ」

汐音中心にしたってもうちょい重い感情持った人間が登場しないとロマンスにもならない…… まだ同作者の『告白』の少年Aと少年Bの方がブロマンスの味があったと思う

湊かなえ『王国』 この帯にした人は「ブロマンス」の意味をちゃんと解っていて書いたのだろうか。次々変わる語り手は全員男性ではあるし、海の王国の騎士はみんな朔也を介して繋がっていて朔也をかけがえのない友人とは思っているかもしれないけど、汐音は特別な女性なんだなってことしか伝わってこなかったが? 珊瑚の女王こと汐音の水難事故。朔也は自身の立ち上げた会社「海の王国」と関わりの深い海の騎士たちに「珊瑚の女王を殺したのは誰なんだ?」という奇妙なメッセージを遺し、持病により亡くなった。事故の裏には何かあったのだろうか?朔也本人の死に不可解な点はないのだろうか?海の騎士たちが各々隠しているものの正体とは何か?

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逃げられそうなときに逃げられてないよなあ……って思ってしまうシーンが結構あって、そこも若干この話に乗り切れなかった点かも。まあ家ってそう簡単に捨てられないしな、店も簡単に投げ出せないしな、で共感できなくもないが、それにしたって町の全員が敵ってほど因習が浸透してるふうでもないってところが甘い。いや、現代の話なので「まさか本当にそんなことが起きてると思ってる?」と嘲笑されるあたり、現実的なのか……

エミリー・カーペンター『ゴシックタウン』 出版社のnoteで現代アメリカの因習村ホラーであると謳われており手に取った。 ジュリアナは小さい町ではあるが、自然豊かで、栄えており、住民は親切で、新参の移住者に対する歓迎ムードもばっちり。主人公のビリーはニューヨークに開いていたレストランを畳み、同じタイミングで母親が自分から離れていくという喪失経験をして打ちのめされていた。そんなとき、ジュリアナで町おこし事業をはじめるという内容のメールが届く。「この計画であなたに白羽の矢が立った。起業資金を補助するから、100ドルで邸宅を購入して我が町に移り住まないか?」という内容のメールだ。

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ドリフターズとか8時だヨとか全然知らなかった小学生時代、近くの老人ホーム訪問があってみんな何するか色々考える中、「うちの班はドリフするぞ!」って言い出したクラスメイトがいて、何が何だかわからないままオリジナルネタでコントを披露した思い出がある。今考えると全部が「なんかスゴい」エピソードだ……。その子はたぶん好きだったんだろうな、お笑いが。

もっと意地悪な展開があってもいいよ、と思う話の大前提「世界観が既にギリギリで不穏」というのがあると思いますが、それでもやっぱりこういう理不尽な世界で人が人に優しくする/されるのに対し私自身が疑いを持ってしまっていて、結局のところそこが引っかかった。

ナオミ・クリッツァー『陽の光が消えた町で』 収録作の2作目までを読んだ時点で、「善の小説過ぎるなー」という感じがあった。人間の持つ善パワーの方が強く、主要な登場人物が眩しく、コミュニティが健全で、物語が全体的に希望に満ちていて……それはそれで小説として良いのだろうが捻くれ読者にとってはもっと意地悪な展開があってくれてもいいよと思ってしまった。しかしここまでの読み心地で判断するのは早計だった。『怪物』『海を見渡す四姉妹』は一筋縄ではいかない人物・展開が用意されており、非常に好み。特に後者が好きだった。『アルゴリズムでよりよい生活を』も、こういうアプリが現れたら

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このとき買ってた文庫本の帯が絶妙にダサくて、久しぶりに引っ張り出してきて見てもやっぱりダサい。 なんかフォントがよくない気がする。雰囲気ある装画なのに や、「座布団10枚級!」もダサいか……

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米澤穂信『儚い羊たちの祝宴』 いつぞやの新潮文庫の夏フェアで買っていたものを引っ張り出してきた。連作短編集と言うにはちょっと繋がりが弱い気もするが、一応「バベルの会」という名家の子女が集う読書サークル(大学のサークル)が出てくるという共通点がある。古風な雰囲気と上流階級の物語らしい優雅さのある文体、しかし時代背景はややぼんやりしている。事件の捜査を警察の手に委ねない/金・権力で握りつぶすのが横行しているラノベ的世界のミステリ。違和感のないよう気を遣って書かれてはいるが、このへんの公的機関の不介入を納得づくで読めるようなら面白いと思う。私はわりと無視できるほう。

定期的に冒頭がSNSでバズることでお馴染み舞城王太郎の『短篇七芒星』の『代替』 十余年を振り返って本当に何度バズりを観測したかわからない。何故そんなにこの文章が流行ってしまうんだろうと冷静に考えたところ、多分“ろくでもない人間がいる。お前である。”の一文は、とにかくタイムライン上をぼんやり見ていただけの「私」を急に指さしてくる気がして、その吸引力によってみんな目を留めてしまうのだろう……「ろくでもない人間=私」の式を完成させてしまうから……と思い至った。ちなみに本編ではそんな式なんてポーンと飛ぶほどマジで「ろくでもない人間」がろくでもない行動をとるので、ちゃんと読んだ方がいいのだけれども。

あんまりだな……という本もあるにはあるけど最近またすごく面白いなと思える読書体験が続いていて調子いい

合間に読んでた『ショートショートなSF』も読み終えたんだけど、まあ打率はぼちぼちかなぁ……オチまでたっぷり面白かったのもあれば、説明に終始してたり世界観構築だけが一編を占めてたりで短い話なのに書きたいものがこちらにあまり伝わらないものもあった。星新一生誕100年の区切りでできた企画らしいが、星新一ってSF的奇想の秀逸さもさることながら書いてあることが簡潔に端的に伝わってくる筆運びが素晴らしいんだなと再確認。持論だがショートショートに回りくどさは不要だと思う。

けど竹書房文庫がこの時期頑張ってた、クセのある変な翻訳小説を出版しよう!という意欲の作品だと思っているので、別にそれでいい。竹書房文庫っぽい。装丁もいい。

キース・トーマス『ダリア・ミッチェル博士の発見と異変 世界から数十億人が消えた日』 ダリア・ミッチェル博士が発見した謎の信号。この信号には未知のパルスコードが含まれていた。これが宇宙からのメッセージであると考えたダリアは上司に報告するが反応は思わしくなく、次に元恋人のジョンを頼る。国家安全保障局勤めのジョンは「このコードの価値をわかって欲しい」というダリアの意思を汲んで、これを同僚に託した。謎のコードの処遇に頭を悩ませたこの同僚は上司に対応を任せ、このコードは巡り巡ってホワイトハウスの知るところとなる。

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この店のココナッツカレーが好きで定期的に食べたくなるので昨日はそれを食べてきた。 ここまでスパイスでガチガチにキメなくていいんだけど、ココナッツカレーって自作できないかな?調べたらココナッツミルクとナンプラーがあればどうにかできそうなので近々挑戦したい。

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今日の仕事帰りに我慢できなくて本を買い、せっかくなのでカフェランチがてら読んじゃお〜と思い久しぶりにカフェ読書をした。疲れたのか帰ってから2時間半ほど寝てしまった。充実した一日。

前から言ってるけど近刊のうち旨みのある乙一要素は山白朝子と中田永一が吸っていて乙一名義ではあまり個人的ヒットがないのが寂しいところ。乙一ってどの名義よりネームバリューあるのにな……