この季節の帰り道はひぐらしが笑っている 夕陽は長くのろのろと自転車を漕ぐ人の後ろを焼きつけ 幾重にも茂る山々は音もなく湿った陰を潜めている
おばあちゃんに会う度に絵を見せているのだけど芸術や文学に誰も関心がない身内の中で誰よりも繊細に見ていちばん褒めてくれるから毎回照れくさくてとても嬉しいんだ
創りたいという熱は奇跡的なもので誇れることであるがきっとそれ以外どうなってもいい訳ではなくて健康で理性的であり軽やかな感性を見失わない生活があってこそピリリと楽しい狂いが隠し味として活きるのだと思う
新年会に出て帰り道で泣かなかった 暗闇に強くなった気がする たくさんの人に会うと不意に絵を!絵を!と強くなる心がある 絵に苦しめられる時間がいちばん楽な苦しみだと思う