노해

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『ぱち吸い★ジャンキー』 ホプユウ? ダンソニ?(疑問形にしない) 変態しか登場しない。 ぽこポケで「いいニオイ、いつまでもかいでいられる〜(うろ覚え)」って台詞があるのが悪い。

印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「ぱち吸い★ジャンキー」と記載されています。
以下は本文の内容です。

「いらっしゃいユウリ。…でもねえ、せっかく来てくれたけど、今、ホップ徹夜明けで仮眠中なのよ」

アポ無しの来客を、小声のソニアが迎えた。ユウリも多忙な中会いに来ただろうに、こちらも徹夜明けだから流石に起こすのは可哀想だしね、と申し訳なさそうな顔を見せる。

「いえ、今日はホップに用があって来たわけではないんです。むしろいない方が気兼ねなくて都合が良いくらいで」

ホップが聞いたら凹みそうな事を、ユウリはキッパリはっきり断言した。

「今日は『ぱち吸い』に来たんです。…ぱちを…ワンパチを吸わせてください! …私に癒しを…」

遊んでくれる来客の気配を感じ取って、向こうのサンルームからトテトテやって来たワンパチを、主のソニアの承諾の返事を聞くか聞かないかのうちに、がばちょと抱き上げる。

「ワンパチぃ! 今日もきゃわわあ! 吸わせてえぇ!」

間髪入れずワンパチの首周りのもふもふに顔を埋めると、躊躇わず大きく息を吸う。

「アンタもホント『ぱち吸い』が好きねえ…」

「ソニアさん…こりゃあヤベえ…。今日はまたいつも以上に極上モノの香りですよ…至福…」

「…同じ個体のワンパチだけどねぇ…?」

あまりに疲れ果て過ぎて、癒しを欲し過ぎるパチジャンキーのダメ過ぎる発言。一応この姿をホップには見られたくないという程度の理性はまだ働いてるようで安心した(ダメ)。決して外では見せてはならないチャンピオンの一面だった。
吸われる瞬間に見せるワンパチの無の表情がまたソニアのぱち好きのツボに刺さるし、吸われるワンパチも表情こそ無だが、嫌がるそぶりもなくされるがままなので、止める理由もない。すはすははすはすすんすんとひたすらワンパチを吸い続けるユウリの荒い呼吸の音だけが研究所内に響く。

「ねえ、別にうちのワンパチ吸うのは全然構わないんだけど、ココまで来るのも大変じゃない? ほら、ユウリが連れてるあのコ…ザシアンじゃダメなの? 流石に禁伝は吸わせてくれないの?」

「ザシアンも吸わせてくれるんですけどね。…でも、あの子の匂いは私にとってバトルスイッチなので…。ザシアン吸っちゃうと一気に全身が戦闘モードに入っちゃうから、全く休まらないし癒しにはならないんですよねえ」

禁伝吸うなよ、というツッコミは受けない。
まあ、ユウリの言うことも分からなくもない。ソニア自身もパチ吸いをして癒しを感じられる様になれたのは、つい最近の話だ。かつての彼は、ソニアの頼もしいバトルパートナーだったから。

これでラスト、本当に最後、もう一度、あと一回だけ、を無限ループする完全にジャンキーの言い訳をしながら、ユウリはワンパチを仰向けに押し倒すと、そのままお腹まわりのもふもふに顔を埋めて大きく息を吸い込む。存分にぱちの匂いを身体の隅々にまで染み渡らせて、愉悦の吐息を漏らした。

「…うん、君は今日、サンルームでひなたぼっこしてたね? お日様のいい匂いがするねえ…いつまでも嗅いでいられる…天国…癒される…。
なんでだろう、私の手持ちのワンパチくんは、日干ししてもこんないいニオイしないんだよねえ。ソニアさんのぱちは一体何が違うんだろうねえ…。ああ、もう好き、大好き、ホント最高…」

ワンパチの腹に顔を埋めたまま、ユウリは耽溺しきった蕩ける声で、ソムリエのごとく本日のワンパチのかほりを評した。

そんなユウリを見守るソニアの明晰な頭脳は、ユウリの疑問の解を既に弾き出していた。
││うん、それは多分、直前までワンパチに添い寝されてたホップの匂いだわ。先刻ブランケットを掛けてやった、ワンパチとサンルームで寝落ちしていた助手の姿を思い出す。一徹しかしてないから、まだ臭くはない…はず。多分。
そうですか、最高ですかそうですか。ソニアのニマニマが止まらない。早く直接嗅げるようになれば良いねえ。ホント焦れったい2人だよねえ。
││ソニアもまた徹夜明けで疲れていた。

そして聡明なソニアは、もう1つの事実に気付いてしまった。
時々フラリとやって来てはソニアにカレーを強請り、ワンパチを吸って帰るダンデ君。『ソニアのワンパチを吸うと落ち着くな』と笑う彼もまた、重度のワンパチジャンキーだと思ってた。そんな彼がワンパチを吸って『フローラルな香りがする』と評するのを、ワンパチがいつも昼寝してるサンルームの花の香の話と思っていたが、そんな香りの強い花なんて無いのに?とも思っていた。
そして今、思い至る。普段サンルームでワンパチと共に優雅に午睡を決めるのが日課な自分。夜、ワンパチと一緒に寝ているのも自分。つまり││。


徹夜明けの眠気は一瞬で消し飛んだ。
気付かなければ幸せだった。でも気付いてしまったのでどうにも居た堪れない。とりあえず、ダンデ君のぱち吸いは禁止しようとソニアは思った。

【余談】
仮眠から復活したホップの『ぱち吸い』が止まりません。